カンボジアで日本を目指す若者たちの姿
ミナミカンボジアの日本語教師、小林 将晃 です。
カンボジアって、どんな国?
カンボジアと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
アンコールワットなどの壮大な遺跡、敬虔な仏教徒の国、親日的な国民性など、素晴らしいイメージを持つ方も多いでしょう。確かに、カンボジアは過去に内戦を経験し、東南アジアの中では開発が遅れていましたが、現在は急速に経済発展を遂げています。
私は一昨年の3月から、カンボジアの南部にある地域で、技能実習生や特定技能者に日本語を教えています。そこで得たカンボジアの印象は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、カンボジアの人々が穏やかで親しみやすく、活気にあふれているということ。国全体がとても良い雰囲気を持っています。
2つ目は、社会の中で富裕層と非富裕層、発展と遅れがはっきり分かれており、社会のバランスが少し偏っているということです。
具体的に言うと、カンボジア人の平均的な月収は200〜300ドル程度です。富裕層は高級車に乗っていますが、多くの人は125ccのオートバイで移動しています。そうした環境で、若者たちは親や家族を支えるため、学校が終わった後も家業や家事を手伝うなど一生懸命に働いています。

日本で夢を追い求める若者たち
特に仕事とお金を必要とする若者たち(年齢層は18歳から40代前半まで幅広いですが)は、日本で働くことを目指しています。彼らは日本語や気候、文化、食べ物、習慣の違いに対して不安を抱えながらも、親や家族と離れ、何年も会えないことを覚悟の上で、日本に来る決断をしています。そんな若者たちを目の当たりにすると、本当に頭が下がります。
彼らと接して感じることは、彼らが非常に真面目で、家族思いであり、素朴な人々であるということです。しかし、日本に来て働くことが思っていたよりも難しいという現実もあります。環境や習慣、考え方の違いから、今のままで日本の生活や仕事に適応するのは想像以上に大変だと感じることが多いです。
もう一つ感じることは、彼らが日本で働くことを希望しているのは、日本が彼らを必要としているからではないかということです。実際、彼らのほうこそ日本に招かれ、必要とされているのではないかと感じる瞬間もあります。
私ができること
今の私が彼らにできること、それは日本での生活や仕事に困らないよう、できる限り多くの日本語だけでなく、日本の文化や仕事に関する知識を教えることだと強く感じています。彼らが日本で成功するためには、言葉の壁を越えることだけでなく、文化的な理解も重要です。それが、私の役割だと思っています。
カンボジアは、50〜60年前の日本に似ている部分が多いと感じています。ちょうど日本が高度経済成長を遂げ、戦後の貧困から脱却しようとしていた時期に似ているのです。きっとカンボジアも、近い将来にさらなる発展を遂げることでしょう。その一助となれることに、私は大きな喜びを感じています。

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